スーツの裏地にこだわられていますか?スーツをオーダーすると素材選びからこだわることができます。表地だけでなく、ほとんど見えない裏側までこだわりをお持ちいただけるのはオーダースーツの魅力の一つです。
本日は、裏地のデザイン面だけでなく、その他の役割と効果について分かりやすく解説していきます。このブログを読んでいただくことにより、もっと裏地にもこだわりたいと思ってくださると嬉しいです。
目次はこのようになっています。
- 裏地の役割と効果
- 裏地の選び方
- ベストの背中をどうするか
裏地の役割と効果
裏地には役割がいくつか種類があります。
- 着心地を良くする
- 汚れから表地を守る
- シルエットの維持
- デザイン的側面
着心地を良くする
現代においては、裏地の役割はこの意味合いが一番大きいです。
表地は織り方の性質上、滑りの良さはあまり考慮されていません。服に袖を通すときに裏地が付いていないと滑りにくく、着心地が悪くなってしまいます。
その為、裏地に使用される生地は、ポリエステルやキュプラ、レーヨンの朱子織(サテン織り)で織られたツルっとしたものを選ばれることが多いです。カジュアルなレザーブルゾンなども見頃(胴部分)はコットンで作られていても袖の裏地は朱子織のものを一般に使用されます。
汚れや痛みから表地を守る
スーツを着る際に中にシャツを着るとはいえ、夏場は汗をかき表の生地までついてしまう事もあります。また、日々の着脱や生活により内側は摩擦によるダメージを受けやすいです。
これを防ぐのが裏地。汗をかいても裏地部分でとめて表地までいかないようにしたり、滑りにより摩擦によるダメージを最低限にとどめたりする効果があります。
過去、表の生地が貴重だったころは、親から子へと受け継ぎ長く着用できるように、張り替え可能な裏地という存在は大きかったです。
シルエットの維持
シルエットの維持も裏地の大切な役割。スーツに使われるウールという素材は伸縮性と回復力を兼ね備えていて、着用により伸びが発生しても元に戻ろうとする働きがあります。
これをサポートするのが、ほとんど伸びがない裏地によるもの。裏地が元の形の骨格、ガイドラインとなり、ウールの回復力を助けてくれます。
デザイン的側面
どんな裏地を選ぶかのもっとも大切な側面がデザイン要素。普段ほぼ見えることがない裏地も、ボタンをあけたちょっとしたしぐさの時、ジャケットを脱ぎハンガーにかけた時などさりげなく見えることがあります。
その時にどういう色、柄を選ぶかで人が受ける印象は大きく変わります。変わったものを選ぶことで話のネタになることも。
裏地の選び方
まずは色合いの考え方はこのようになります。
- 同系色で表地よりも濃い色を選ぶと落ち着いた印象
- 同系色で表地よりも明るい色を選ぶと活発な印象
- 同程度の明るさで、対比となる色を選ぶとオシャレな印象
ビジネススーツの定番色で例を挙げると、、、
・ネイビーでは、ダークネイビーだと落ち着いた印象、ライトブルーだと活発な印象、ブラウンだとお洒落な印象
・グレーでは、ダークグレーだと落ち着いた印象、ライトグレーだと活発な印象、ネイビーだとお洒落な印象
ここに柄の要素が加わってきます。
柄は大きくなればなるほど派手な印象となり、固いご職業のスーツであれば小紋柄(小さな連続した柄)の裏地程度におさめるのが無難です。
また、基本的には柄のスーツには無地の裏地を選択します。もし、柄on柄にしたい場合は柄の種類や大きさを変えるとうまくいきます。
ベストの背中をどうするか
ベスト付きの3ピーススーツの場合、身頃裏(背中部分)は同じ裏地にすることが多いです(もちろん変えることもできますが)。
ジャケット裏地では問題なく着れた派手な裏地も、すぐに人目がつくベスト裏までもってくるとインパクトの度合いが変わってきて、ジャケットを脱げなくなったという方も。ベストの背中までどうするかということもオーダースーツでは選択できます。
表地、裏地トータルで自分らしさを追求できるオーダースーツ選びのご参考にしていただければ幸いです。