本日は靴デザインの少々マニアックな話、”ブローグシューズ”について。
そもそもブローグ(brogue)とは、写真のような穴飾りのあるデザインの靴のこと。ブローグシューズはもともとは防水や汚れがつきにくくするためのものとして生まれ、現在では装飾的な要素が強くなっています。
ブローグシューズにもクォーターブローグ、セミブローグ、フルブローグという種類に分かれています。履かれるシーンによって靴を使い分けしていただけるので、分かりやすく解説していきます。
シーン別ブローグシューズの使い分け
まずは結論のシーン別のブローグシューズの使い分けについて。
基本的に飾りが多くなればなるほど、カントリー感がつよくなり(他の要素もありますが)カジュアルな印象となっていきます。なので、
クォーターブローグ < セミブローグ < フルブローグ
の順でカジュアル要素が強くなり、お仕事用に使用されるのはクォーターブローグが最も適しているといえます。
ブローグシューズのデザイン要素について
では、それぞれがどういった靴なのか解説していきます。ブローグシューズのデザインには4つの要素があります。
- パーフォレーション
- ピンキング
- メダリオン
- つま先のデザイン
これらのデザイン要素が組み合わさり、3種類(クォーターブローグ、セミブローグ、フルブローグ)のブローグシューズとなります。
パーフォレーション
パーフォレーションはシューレースや踵部分の丸い穴のことです。
ピンキング
ピンキングとは革の断面部分をジグザグにカットしてあるものを指します。
メダリオン
トゥ(甲)部分に施された丸い穴のことで、昔ヨーロッパの貴族の間ではイニシャルにするのが流行したといわれています。装飾要素がもっとも強いデザインです。
トゥ(甲部分)のデザイン
これにトゥのデザイン要素(パンチドキャップトゥ、ウイングチップ)が加わります。
パンチドキャップトゥ
パンチドキャップトゥは、ストレートチップという横に一文字の切り返しをされたものの上からブローグがついたものを指します。
ウイングチップ
ウイングチップはW字に切り替えられた装飾性の高い靴のことです。
ブローグシューズの種類解説
それぞれのブローグシューズが持つ要素について解説していきます。
クォーターブローグ
- パーフォレーション
- パンチドキャップトゥ
程よい装飾性と汎用性の高さからブローグシューズの中で最もビジネス使いに適しているのがこのクォーターブローグシューズです。ピンキングが入っているものが多いですが、極まれに入っていないよりスタイリッシュなデザインのものも見られます。
パーフォレーションがないものは通常のパンチドキャップトゥと呼ばれ、最もビジネス使いしやすい形です。パンチドキャップトゥの中にクォーターブローグ、セミブローグという種類があるという枠組みです。
セミブローグ
- パーフォレーション
- メダリオン
- パンチドキャップトゥ
クォーターブローグに甲のデザイン、メダリオンが追加されることでややカジュアルに傾倒したのがこのセミブローグ。ジャケパンスタイルに合わせてこなれた印象を漂わせれます。
フルブローグ
- パーフォレーション
- メダリオン
- ピンキング
- ウイングチップ
パンチドキャップトゥから、ウイングチップに変わり、ピンキングの要素が入った非常に装飾性の高いのがフルブローグシューズ。カントリー要素が入ることにより固いお仕事だと足元が浮いてしまうこともあるので注意が必要です。
いかがでしたでしょうか。靴の形の意味合いを知ると、履いていく靴を選ぶのが楽しくなります。是非ご参考にしていただければ幸いです。