スーツのお腹周りについているポケットには、通常蓋がついています。フラップポケットという名前の子のポケットは、何故このような蓋がついているのでしょうか。

 

フラップポケットは、日本では雨蓋ポケットという名称で呼ばれていたことがあります。その名の通り雨風をよけるためにポケットの上に蓋がついています。

なので屋外では雨風がふくため出しておくのは良いが、屋内でこのフラップを出しておくのは失礼だというビジネスマナーが過去にありました。現在でもそのようなビジネスマナー的な書籍をみますが、ビジネスのカジュアル化が進んでいる現在において特段気にしなくてもいいです。

日本の上皇や、イギリスのチャールズ皇太子などは基本的にフラップを中に入れられています(恐らく、フラップを入れたり出したりする仕草を省略する心遣いかと思います)。対して天皇陛下、ウィリアム王子などは屋内であっても基本的にフラップはそのまま外に出しています。年代に差があるとはいえ最上級のマナーを熟知している皇室、イギリス王室でそのままにしているのだから、現在はどちらでも問題ないという考えです。

ここで重要なのは相手に対する敬意であり、敬意をもってスーツを着用していればそれでよいのではないでしょうか。

 

ただし、これはビジネススーツにおいての話。屋内での着用を基本とする洋服がこのフラップが付いていてはいけません。具体的にはタキシードやモーニングといったフォーマルウェアです。屋内での着用のために作られているこれらの洋服に意図なくフラップをつけるのは問題です。

結婚式のレンタル衣装には注意をすべきです。レンタルでのタキシードやモーニング、フロックコートにはお気を付けください。特別な場所の特別の洋服であるべきなのに、コスプレ衣装のようなものも多く出回っています。