黒い靴はフォーマルで、茶靴はカジュアル。これはスーツスタイルの基本です。なぜこのようなイメージになるのかについてブログにまとめました。

 

黒靴=フォーマル 茶靴=カジュアル

こういった流れになったのは、それぞれのルーツの違いによるものが大きいです。

 

黒は格式高い色

黒が最も格式高いとされるのは、黒が全ての色を吸収している色だからだと考えています。

物体に光が当たったとき起こる反応は3種類。

・吸収する
・反射する
・透過する

私たちがふだん色を感じるのは、反射した色か透過した色のどちらかです。可視光と呼ばれる人間が見える範囲の光の色をすべて吸収したとき色は黒になります。つまり全ての人を受け入れることができる意味合いを込められている色です。

 

また、19世紀最も注目を集めた(今でいうファッションアイコン)であるボウ・ブランネルが極力抑制された色彩と考え愛した色なことから、当時より社交界などではみんな黒靴でした。

 

現在においてもヨーロッパをはじめとする都市部のビジネスマンはダークネイビーに黒靴というスタイルを愛し、選ばれることが多いです。

数年前の英国政府委託の調査においても、”ロンドンの金融業界で茶靴を履いているひとは不採用にする”という決まりがあることが発覚し話題になりました。これは極端な例とはいえ、それくらいに黒靴に対するファーマル度がたかいことのあらわれです。

 

 

茶靴は狩猟や乗馬用

対して、茶靴のルーツは狩猟や乗馬、ポロ競技などカジュアルなルーツがあります。あたたかみのある茶色はくつろいだ雰囲気があります。

カントリーブーツ、カントリーシューズといった種類の靴はブラウンやベージュ系の色。これも土の上を歩くうえで自然に馴染むのがこの色だからです。

 

それを踏まえ、ビジネスの場で茶靴を選ぶのはカジュアルな要素を持ち込むということになり、フォーマル度がたかい金融系、保険、仕業などの職場では避けるべき色といえます。すべては相手方に対するリスペクト、敬意をこめて靴も選ぶほうが良いのではと考えています。

 

 

それぞれの靴のディティール

色同様に靴のディティール(細部のデザイン)もフォーマル度、カジュアル度を高めることにつながるものがあります。

 

トゥのデザイン

格式が高い順にこのようになっています。

ストレートチップ > プレーントゥ > パンチドキャップトゥ > ウイングチップ > ローファー

・ストレートチップ : トゥ(甲部分)に真一文字の線が入った靴
・プレーントゥ : 何もデザインがはいっていない靴
・パンチドキャップトゥ : ストレートチップに穴飾り(パーフォレーション)がはいった靴
・ウイングチップ : トゥにW字のデザインがはいった靴
・ローファー : シューレース(紐)が付いていない靴

 

 

シューレース部のデザイン

内羽根(うちばね)=フォーマル 外羽根(そとばね)=カジュアルという風に分かれています。すっきりと落ち着いた雰囲気の内羽根と、羽根部分が開きやすく活動的な印象のある外羽根。

内にあるのかどうかで見た目の印象も大きく変わってきます。

 

 

革の質感

スムースレザー=フォーマル、スウェード=カジュアル。つるっとした革であるスムースレザーと起毛したスウェードレザー。スウェードのほうが見た目のリラックス感があるのと、汚れや水に強く手入れも楽なことからカジュアルシューズに適した革になります。

 

 

穴飾り

メダリオンやパーフォレーションといった穴飾りは装飾性と撥水や防水を目的として作られた背景から、たくさんつけばつくほどカジュアルな印象になります。詳しくはこちらのブログをご覧ください。

 

 

いかがでしたでしょうか。黒靴と茶靴というベースがあり、ディティールをどういったものを選ぶかで履かれるシーンに合わせた靴を選ぶことができます。

(例)
・大切なプレゼンがある:黒のスムースレザーのストレートチップ
・親しみを持たせるジャケパンスタイル:茶色のスウェードレザーのウイングチップ

 

是非ご参考にしていただければ幸いです。