毎日スーツを着られる方なら5着以上は持っておく必要があるシャツ(ここでいうシャツはドレスシャツやYシャツ、カッターと呼ばれるシャツ)。スーツよりも枚数は多く見えるシャツはオーダーが最も格好良く見えることに変わりはありません。ですが既製品でも今より格好良く見える方法を本日はご紹介していきます。ポイントはサイズ感、生地、ボタンです。

 

サイズ

既製品である以上、すべてのサイズが合わないというのは仕方がないことです。抑えておくのはネックサイズと裄丈、次いで身幅が優先度が高いです。はじめて購入する既製品の場合試着することをお勧めします。既製品のサイズは表記サイズが同じでも実際の数字がちがいます。シャツは折りたたまれていることがほとんどですが、必ず試着してサイズを確かめてください。

締め付ける首回りを嫌がり、ぶかぶかのネックサイズを選ばれる方もいらっしゃいますが、これは不格好です。好みによりゆとりを調整する必要がありますが、首からシャツの襟が浮いてしまっているサイズはスーツのバランスのすべてを壊してしまいます。

スーツから見えていいシャツの個所は首回りと袖口のみ。袖からシャツが1cm程度除くほうがスーツ全体に締まりが生まれます。いくらスーツで最適な長さの袖がつけられていてもシャツが短すぎるとこのバランスが崩れてしまうので、裄丈も重要です。

次いで身幅を選びます。自分のバスト寸法に+12cm程度ゆとりをもつとよいと思います。細身の方、体格の良い方はなかなかバスト寸法まで選ぶことが難しい場合があるので、ここはある程度目をつぶる必要があります。

 

生地

ここまでサイズがあうと、次は生地選びです。生地は折柄もない無地の白かサックスブルー(薄い青)がベター。すべてこの2つでまとめて良いくらいです。慣れてくるとロンドンストライプなど柄物の良いのですが、間違えても変わった位置にボタンがたくさんついているもの、シャツの襟orカフスの裏側が花柄のものなど選んではいけません。意図のないとってつけたデザインは途端にシャツの高級感を損なわせます。

 

ボタン

最後にボタン。このボタンも白かアイボリー(生成り)が基本です。黒など変わった色は悪目立ちをしてしまいコーディネートの難易度が急に高くなります。

既製品の多くはカフスにボタンが横方向に二つついています。これは既製品ならではの細工で、留めるボタンによって様々な手首の太さにあうようにさています。著名な服飾評論家の故落合正勝さんもこの既製品のディティールについて、ひとつのボタンホール(ボタンを通す穴)にはボタンは一つであるべきだと卑下していました。

袖口は商談や対面しているときに注目されやすい個所。太い位置のカフスのボタンを留めた場合、もう一つのボタンが見えてしまう為、細いほうのボタンにしてしまうか、手間は掛かりますが一層のことハサミなどで取ってしまってもよいくらいです。

 

いかがでしたでしょうか。ひとつふたつ手間を加えるだけで既製品シャツでもよりよく見えます。なにか一つでも既製品シャツ選びの参考になれば幸いです。