神は細部に宿る、時折オーダースーツでも使われる言葉ですが、その本意はディティール(細部のデザイン)の大切さを物語っています。

スーツの顔ともいえる、胸回りのVゾーンを彩るディティールがAMFステッチ(ピックステッチ)。それは襟の縁部分をみるとぽつん、ぽつんとあしらわれている等間隔のステッチのこと。なぜAMFというのかというと、このステッチを縫うミシンの製造会社(アメリカン・マシン アンド ファンドリー American Machine and Foundry)の頭文字からきています。

このAMFステッチの効果として、縁にステッチがあることで輪郭がはっきりとしてスーツに立体感が生まれます。これにより締まったスーツの印象を与えることができます。またデザインとしてのアクセントにもなり、お洒落なスーツに欠かせないディティールと考えています。

AMFステッチをいれる巾も重要で、通常のスーツであればコバと呼ばれる縁ギリギリにいれるのですが、カジュアルなくつろぎのある印象を与えたい場合、6mmなど巾を広くとることも選択肢のひとつです。写真は6mmのデザイン。