紳士靴、革靴、といっても¥10,000以下で購入できるもの、¥200,000を超えるものなど価格帯は様々。この価格帯の違いは”作りのこだわり”と”素材のこだわり”の2種類の要素によるものが大きいです(所謂ブランド代、広告宣伝費は割愛)。

作りとは、製法云々にもよりますが主たる目的は曲線への追求です。人間の足が立体であるようにいかにその足に馴染ませるか、美しく見せるかということがドレスシューズと呼ばれる紳士靴、革靴には求められます。

本日紹介するピッチドヒールは作りのなかでも分かりやすいディティール(細部のデザイン)です。

 

 

ピッチドヒールの特徴

画像の革靴のヒールを見比べていただくとすぐにおわかりいただけると思います。ピッチドヒールは踵のヒールが付いた位置から地面にかけて細く絞られたディティールの事です。またの名をテーパードヒールともいいます。

 

 

通常のヒールが90°の位置に着地するのに対して、横、後ろともにグッと絞り込まれているのがわかります。

 

 

ピッチドヒールの魅力

ピッチドヒールの魅力は一言でいうとエレガントさ、上品さ。女性のハイヒール、ピンヒールを想像していただきたいのですが、太いヒールのものよりも細くて華奢なヒールのほうがエレガントに見えます。

 

 

ピッチドヒールは高級既製品に取り入れられていることはありますが、まだまだ絶対数はかなり少ないです。真っすぐにヒールをおろすよりも余分に手間がかかるうえに、全体のバランスを取って絞る角度を決めるという計算が必要だからです。

よりエレガントに見えるピッチドヒール。こういったディティールにも注目して頂き、靴選びのご参考にして頂ければ幸いです。