”ドロップ”という言葉を聞いたことがありますか?スーツを購入されるうえでよく出てくるドロップについて解説していきます。
スーツ用語のドロップについて
ドロップとはバストと中胴(胴回り、ジャケットウエストともいう)の寸法差の数字のことです。自分のバストが90cm、中胴78cmであればドロップ12(90-78=12)、バスト90cmで中胴82cmであればドロップ8(90-82=8)です(※ドロップを÷2して呼称する場合もあります)。
12cm差のA体型を基準として、その大小によって自分の体型における横幅の差を把握しようというツールです。
それぞれのドロップによる体型の名称はこのようになります。
・Y体(ドロップ16)
・YA体(ドロップ14)
・A体(ドロップ12)
・AB体(ドロップ10)
・B体(ドロップ8)
・BB体(ドロップ6)
・BE体(ドロップ4)
・E体(ドロップ2)
縦の体型をあらわす数字
既製服を販売しているスーツ屋にいくとこれに3~8程度の数字がつけられていることがあります。
(例:YA5、AB4 など)
この数字は身長を表しています。アルファベットのドロップが横の体型なら、縦の体型をこの数字を反映させます。
・3(160cm)
・4(165cm)
・5(170cm)
・6(175cm)
・7(180cm)
・8(185cm)
ドロップが完璧ではない理由
このドロップは縦と横の体型がわかり、スーツ選びの参考になります。
通常のS、M、Lや44、46などのサイズ表記では、ブランドが決めた体型のサイズをそのままグレーディングという技術をつかい大きく、また小さくしています。これではさまざまな体型の人に対応することができません。
ドロップを使用したサイズ展開にする事で、同じ身長170cmの人でも体型にあわせてスーツを選ぶことができるメリットがあります。
しかしこのドロップによるサイズ展開も注意点があります。それはドロップを採用している店舗が少ない事、採用していてもブランドによりゆとり寸法が違うという事です。
ドロップを採用するにはコストがかかる
S、M、Lであればつくるサイズは3つですみますが、ドロップを3種類追加するとそれだけで3倍のサイズを作る必要性がでてきます。既製品の場合予め商品を作成しないといけないので、たくさんの商品を並べることになり、大きな店舗であってもすべての商品にドロップを採用するのは難しくなってきます。
ブランドによりゆとり寸法が違う
ゆとり寸法が違うとはどういうことかというと、同じバスト90cm、中胴78cmのA体型設定のすーつであったとしてもブランドにより違う寸法で仕上がってきます。
これはブランドにより寸法の考え方がちがうためです。Aというブランドではバストには16cmゆとりを入れ、Bというブランドではバストには12cmゆとりを入れるといったように、おおよそ1サイズ違うサイズになる場合も。これは中胴のゆとりも同様です。
なのでドロップはある程度の参考にして実際にフィッティングすることが大切です。
いかがでしたでしょうか。スーツ用語であるドロップについて解説していきました。既製スーツを購入するうえでの参考にしていただければ幸いです。
また、オーダースーツであれば同じA体型(ドロップ12)の方でも筋肉の付き方により補正を加え完璧なフィッティングを目指すことも可能です。作成までに1ヵ月程度かかるため、お時間余裕のある方でサイズにこだわりたいという方はオーダースーツがお勧めです。