オーダースーツを仕立てる上でパンツの裾の仕立てはどうするか?ダブルにするかシングルにするか、必ずでてくる選択肢のひとつ。女性既製服の場合、パンツの丈を直したりすることはほとんどないため、男性ならではのこだわりと言えます。

ダブルとは裾が外側に折られ重なってみえるもの、シングルとは内側に折られ折り重なりは見えません。裾の仕立て方法には”たたき”と呼ばれるものもありますが、スーツで使われることはほぼないため割愛。主にダブルかシングルでの選択しとなります。

もともとスーツが生まれた当初、裾はすべてシングル。ダブルのルーツは、アメリカのパーティに出席するお洒落な紳士が突然降りだした雨による汚れを気にして裾を折り返していたが、それを忘れたまま出席。それをみた人達がこれが最新の着こなしだと勘違いしたという説が有力です。

現在、ダブルにされる方が圧倒的に多いです。私自身もほとんどがダブルで仕立てていて、フォーマルなスーツ、タキシードなどを除くとほとんどダブル。ダブルを選ぶのは、足元にボリュームがでて良いアクセントになるという見栄えの要素と、足元の生地の重なりが2倍になり重しの効果がうまれシルエットがキレイにみえるという理由です。巾は一般的には3.5〜4センチで、アクセントにするなら4.5〜5センチ巾も有りです。