本日はイタリア、ナポリ由来のディティール、マニカカミーチャについて。

マニカカミーチャとは肩先部分にみえる袖付けのデザインのことで、写真をみるとわかるようにギャザーのように皺がよっています。これがマニカカミーチャと呼ばれ、肩先がふんわりとし丸いシルエットを作り上げます。 雨が降っているようなラインが生まれることから雨振り袖ともいわれます。主に肩パッドをなくしたナポリスタイルで取り入れられることが多いです。イタリア語でマニカは袖、カミーチャがシャツということからシャツのような軽やかさを追求したディティールといえます。

通常ジャケットの袖付けは、イセ込みという余剰分をつけます(身頃側の縫い代部分の長さがxとするなら、袖側の縫い代の長さはx+数センチという風に)。マニカカミーチャはこれにさらに数センチイセ込みをプラスしてギャザーを寄せるのです。

マニカカミーチャは視覚的デザインがありますが、動きやすさに関して通常のそれとそこまで変わらず、むしろ肩パッドがない軽やかさのほうを強く感じます。ナポリらしいゆるやかで洒落っ気のあるマニカカミーチャをぜひオーダーメイドスーツに取り入れてみてはいかがでしょうか。