スーツとはそれだけでスタイルが成り立つものではなく、シャツとネクタイ、靴などの小物類が揃ってこそです。そのためスーツに合わせてシャツも同時にオーダーくださる方もおおくいらっしゃるのですが、その際よくご質問いただくのが本日のタイトル。

白いシャツなのにどうして値段が変わるの?ということ。当店で常時置いている無地の白シャツの生地は¥10,000から¥21,000のものまでと2倍以上の差があります。同じ縫製工場なので純粋な生地の値段の違いです。

 

生地の値段にかかわるのが糸の細さ。糸が細ければ細いほど高価になり、生地にした際に光沢感がうまれ肌触りが良くなります。糸の細さは番手(ばんて)という表記で表され、数字が大きいほうが糸が細いです。80番手を超えるものが一般に高級生地だと言われます。

当店の¥10,000の白シャツも100番手の糸を使用していて、品のある光沢感があります。そして¥21,000のシャツは160番手という細番手の糸を使用しています。そしてこの160番手のものはRoyal Caribbean Cotton(ロイヤルカリビアンコットン)と呼ばれるブランド生地で、糸を作っていく際に特別な処理を施します。

多数の綿花の繊維を撚って糸にしていくので、繊維同士が均一にならず目に見えない範囲の毛羽立ちが発生してしまいます。基本はそのまま使用して生地にしていくのですが、このロイヤルカリビアンコットンはバーナーで糸を一本一本炙り毛羽立ちを飛ばしていき、生地に使用することで一般的な生地にはない光沢感と肌触りが生まれていきます。写真で伝わらないのが残念です。