素材にこだわっていくと秋冬ででてくるカシミヤ素材。Cashmereはカシミア、カシミヤと発音が分かれていますが同じ意味。消費者庁はカシミヤと表記していますがどちらの呼び方も間違いではありません。

インドのカシミール地方が語源で、ヒマラヤ山脈に生息するカシミヤヤギから採取されたものがカシミヤです。カシミヤヤギ1頭から150~200gとれ、ニット1枚をつくるんい約4頭分、コート1枚には約30頭分の原毛が必要であることからわかるように大変貴重な素材になります。またカシミヤの生産量の世界7割を誇るのが中国。中国=品質がイマイチ、日本製が一番というのが一概に当てはまらないのが今の服飾業界です。

 

カシミヤ素材の特徴は肌触りの良さと保温性、色彩の美しさにあります。そしてカシミヤの上質さは等級と呼ばれるもので評価され、1~9等級まであります。1等級が最も高品質のもので、その基準は繊維の細さ、繊維の長さ、不純物の混率などによります。

繊維が細く長く不純物がなければないだけ、肌触り、質感の良さが増し高級な仕上がりとなります。その反面生地としての強度は低下し摩擦に弱くなります。等級が高ければよいというものでないので、作るアイテムによっては高級なものが適さない場合もあり注意が必要です。

 

ただし、上質なカシミヤ100%で作られたコートやジャケットの質感は別格であり、一度袖を通してしまうとウールなど他の素材に変えられない魅力があります。