サイズが合わないとスーツは格好良くありません。どんなに良い生地、どんなに凝ったデザインで手のかかったパターン(型紙)や縫製をおこなったとしても。

今回のブログはスーツのサイズ感について。

メンズスーツにおいて格好良さの考え方は大きく二つ。”クラシック””モード”か。スーツはジャストフィットが最も格好良く、スーツが誕生してから変わらない不変のものだという”クラシック”の考え方。反対に”モード”の考え方はそのクラシックをいかに崩して新しい格好良さを定義できるかというものです。どちらにせよ基本はクラシックがベースとなります。

クラシックといえど若干のサイズ感の移り変わりはあるにせよ、基本はジャストフィット。ジャストサイズではなく、ジャストフィットです。スーツのシルエットは大きく4種類の流れがあり、イギリス、イタリア、アメリカ、それにプラスして日本です。他国に比べてアメリカはくびれのない寸胴なスタイルと言われていますが、あれも実はルーズフィットという考え方。ルーズでもフィットしていないとスーツはいけません。(フィットするというのはサイズがキツイという意味でもありません。)

どの国もフィットすることが前提として誕生したのです。もちろんスーツはこういうものだと決めつけずに、職業やその方の好みによりゆとりの持たせ方は変化させる必要があります。

この画像をみてどこのサイズがあっていないかわかりますでしょうか。答えは下↓

 

 

サイズがあっていないポイントは、①パンツの裾が長い、②ヒップがおおきい、③ジャケットのウエストが大きい、④袖丈がスーツでは長い。2サイズほどおおきなものを着用したので、全体に布があまってしまっています。(実物はもっとサイズがあっていなかったのですが、写真で伝わりにくいのが残念です)

 

 

撮影スタッフから言われたのが、ハンガーに掛けているときはスーツが格好良く見えたのに、サイズがあっていないだけで着ると格好良さがなくなった、と。ちゃんと丸みは表現できたスーツなのに、サイズがあっていないだけでこうもよく見えないのです。スーツのデザイン、縫製うんぬんは二の次、まずはサイズを意識してご自身にあったスーツが一番です。