本日はウール素材について。現在、スーツに使われる素材は一般的にウールかポリエステルのどちらかを使われることが多いです。(モヘアなどの混紡系のものは除く)
ウールは羊からとれる天然繊維で、繊維自体に空気を多く含むため冬は暖かく夏は涼しい特性をもちます。吸湿性にすぐれ弾力性もあり、色もきれいに染まります。デメリットとしては虫がつきやすいこと。反対にポリエステルは石油を原料としてつくられる、最も生産量のおおい化学繊維です。用途は多岐にわたり、強みとしてはシワになりにくいこと強度がつよいことが挙げられます。
ウールとポリエステルをそれぞれスーツに仕立てるとどのような差があるのか。生地の風合いや色合い、仕立て映えの観点からいうとウールが良く、強度、ウォッシャブル(洗濯機で洗える)などの高機能の点からはポリエステルのほうが優位です。
仕立て映えか機能性、どちらを求めるかによって適した生地は変わります。今後技術革新が進みポリエステルなどの化学繊維がウール素材を超える質感や仕立て映えするようになる可能性はありますが、そうでない以上、オーダースーツの目的を自己実現、自己表現、社会性に重きを置いているオーダースーツに適しているのは断然ウール素材であると考えています。