今回はオーダースーツのディティール(細部のデザイン)のご紹介。今回はチェンジポケットについて。チェンジポケットとはジャケットの腰ポケット上についた巾役10cmの小さなポケットのことです。

チェンジ(Change=小銭)から由来の名称で、小銭やチケット、また狩猟における薬きょうをいれていたことから始まったデザインです。右腰上につくのが一般的(右利きの方が銃を扱う時右手で薬きょうを出し入れするため)。軍服にもルーツがあることから、英国調(ブリティッシュ)なデザインとの相性がよく非常にクラシカル。既製品にはほぼ見られないデザインということもあり、当店で人気のある腰ポケットデザインです。

基本的に腰ポケットにはなにも入れないことを推奨しています。理由はシルエットがくずれるため(名刺ケースやボールペンなど最小限のものはジャケットの内ポケット、胸のポケットはポケットチーフのみがスマートです)。その事もあり、チェンジポケットは機能性としてではなくデザインの一部として捉えていただきたいです。珍しいデザインなだけでなく、視覚効果としてウエスト位置あたりにポケットが来ることで目線があがりスタイルをよく見せる効果が期待できます(通常腰ポケットは2つボタンジャケットの第二ボタンと水平の位置にある)。

このチェンジポケットを貴方のオーダースーツに取り入れてみてはいかがでしょうか。