既製品のスーツやスラックスを購入すると必要不可欠なのがパンツの丈直し。股下と呼ばれる股から裾までの寸法は人により大きく数値が異なってくるため直しは必要です。しかし、そこで聞かれることで迷われることも多いのが仕上げ方について。

 

シングルにしますか?ダブルにしますか?

シングルかダブル、裾のデザインの話で、本ブログではシングルとダブルの違いと、ダブルにする上で考慮すべき幅を何センチにすると良いかまとめています。このブログを読んでいただくことで、それぞれの特性が理解でき、お選びいただくときのご参考になります。

 

 

スラックスの裾はシングル?ダブル?

どちらの裾の仕上げにしたらよいか?結論をいうと、タキシードやモーニングなどのフォーマルウェアでなければシングル、ダブルどちらを選んでも良い、です。

ダブルが誕生した有力な逸話がこちら。

 

 

お洒落な英国紳士がパーティーに出席するため雨のなかを歩いていて、スラックスの裾に泥がはねることを嫌がり折り返していました。英国紳士は裾を戻すのを忘れ出席してしまいましたが、それを周りの人々がお洒落な作法と勘違いしてダブルが生まれたと言われています。

ダブルの方がタキシードは正式な形としてシングルが決まっているため、ダブルを用いることはNGですが、(ダーク)スーツはもともと略礼装と呼ばれタキシードよりもカジュアルな洋服として位置づけられています。なのでどちらか好きな方を選んで問題ありません。

見え方の違いではシングルはスッキリと、ダブルはお洒落に見える傾向があります。ちなみにシングル、ダブルは和製英語で、海外ではシングルは”plain”、ダブルはturn upと呼ばれています。

 

 

ダブル幅を何センチにするか?

ダブルを選択されたなら、次に考えるべきはダブルの幅を何センチにするか?

基本となる数字は3.5cm~4.0cm。これより細い数字はありえません。現在太めのダブル幅が選ばれる傾向もあり、4cmを選んでおくと間違いありません。対して5.5cm以上の物はバランスが難しく、足元だけが悪目立ちしてしまう場合があるため注意が必要です。幅を広くする場合は丈を短くとり、裾幅も18~17cmなどテーパードを効かせるとうまくバランスがとれるかと思います。

また、ダブルの折り返し部分を糸留めにするか、スナップボタンにするかについては、糸留めのほうが厚みが少なくクラシカルなのでお勧めです。

 

 

以上となります。是非スラックスの裾を仕上げる際のご参考にして頂ければ幸いです。